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「医療と社会にとって本当に良いことを──」創業から貫く精神と、クレコンリサーチ&コンサルティングが未来の社会に向け描くマイルストーン

12 時間前
読了時間: 8分

クレコンリサーチ&コンサルティング株式会社 代表取締役社長 木村 仁様

実行委員:藤井(慶應義塾大学医学部4年)・田口(慶應義塾大学医学部5年)

インタビュー日:2026年7月31日


クレコンリサーチ&コンサルティング株式会社は、1955年に日本初の医療・医薬品専門の調査・コンサルティング企業として誕生しました。「医療にとって本当に良いこと」を第一義とし、社会を支え続ける同社。その根底には、グループ全体に受け継がれる「信頼・感謝・恩返し」という不変のDNAが息づいています。今回は、代表取締役社長を務める木村 仁氏に、同社独自のコンサルティングアプローチ、超高齢社会の課題解決への挑戦、そして健康医療ベンチャー大賞を通じて次世代の起業家たちに託す熱き想いを伺いました。



企業・事業紹介


──貴社の創業の経緯について教えてください。


当社は1955年、日本初の医療関連に特化した市場調査・コンサルティング企業として誕生しました。創業期、当時の日本の医療用医薬品や診療材料の供給体制は極めて複雑で、流通ルートや取引管理も未整備でした。これらの課題に対し、慶應義塾大学出身の創業者たちが相談を受け始めたのが当社の原点です。「医療に係る流通の安定化を通して社会に貢献したい」という強い使命感が、現在に至るまで当社の全事業に共通するパーパスとなっています。

そのため、私たちのすべての事業は「この社会や医療の未来にとって本当に良いことは何であるか」との問いを立脚点とし、それは今も変わらない私たちの行動原理になっています。


──現在の具体的な事業内容と、グループ全体の方向性についてお聞かせください。


現在は、大きく分けて「三つの事業の柱」で医療社会を支えています。


1つ目は、祖業である「データ事業」です。医療用医薬品だけでなく農薬や動物薬、診断薬などの流通構造をマクロ統計データとして調査し、業界全体の共通インフラとして高い信頼をいただいています。


2つ目は、「ソフトウェア・アプリケーション開発事業」です。優秀なエンジニアたちが医療現場や地域社会に貢献するサービスを素早く開発しています。現在では、AI技術により少人数で多数のプロジェクトに対し高速な立ち上げを実現しています。


3つ目は、原点である「リサーチ&コンサルティング事業」です。創業以来、公共性の高い相談や事務局業務、調査研究については、可能な限りすべてお引き受けしています。


グループ全体の不変のDNAとして大切にしているのが「信頼、感謝、恩返し」です。医療界は複雑ですが、最も大切なのは患者さんとそのご家族です。皆保険制度に支えられている感謝を忘れず、事業を通じて社会に価値を「恩返し」する姿勢を全社員が持って従事しています。



医療・ヘルスケアへの取り組み


──競合他社と比較した際、貴社のコンサルティングにおける最大の強みはどこにありますか。


他社には真似できない最大の強みは「医療制度に圧倒的に強いこと」です。

薬価や介護保険、診療報酬など、日本の医療を形作る骨格が「どのような歴史的経緯で成り立ち、いかに成立してきたか」という文脈を私たちは深く理解しています。制度を論じる際、「頭の良い専門家」や「高度なAI」があれば、あるべき理想の未来を論理的に描き出すことまでは可能です。しかし、実社会で最も困難なのは「その制度を動かすために、誰がどのように納得し、合意を形成していくか」というプロセスの設計です。


関係者がそれぞれの立場で主張を戦わせる中では、どうしても「総論賛成・各論反対」に陥りがちです。そこで私たちは、信頼できるデータに基づき、お一人おひとりと対話を重ね、段階的な「腹落ち」を設計します。これは非常に泥臭く、心も体も使うコンサルティング支援です。


さらに、私たちは医療従事者や関係者が掲げる「2040年の医療・社会のあるべき姿」を念頭に置き、逆算(バックキャスト)してマイルストーンの設計を提唱・支援します。あるべき姿には容易には変わりません。その変わらない現実や意味に向き合いながら、実現可能な「マイルストーン」を制度の中に正確に入れていただくご支援をする。これこそが、私たちが発揮し続けている独自の提供価値です。


──超高齢社会の進展に伴い、今後どのような課題に取り組み、貢献を目指しますか。


今後、人口減少が進む中でいかに医療・社会を持続可能にするかという課題に対し、私たちは「より医療現場、患者さん、そしてそのご家族に近い領域」へ自ら近づき、寄り添うソリューションを創り出すことに注力しています。


これまでは医薬品産業内のご支援が多くありましたが、今後は人口減少下でも地域社会が崩壊せず、個々の患者さんが適切な診断・フォローアップを受けられるように、現場の声を活かし、課題を直接解決するサービスやソリューションを自社開発して提供していきます。このギャップを埋めることこそが、現在の私たちの最重要テーマです。




健康医療ベンチャー大賞への想い


──「健康医療ベンチャー大賞」に協賛されたきっかけと、その理念に共感された理由は何ですか。


私自身、アントレプレナーシップに強い情熱があり、自らも数年おきに起業してきました。アメリカの大学院で学び、現地のピッチイベントに関わってきた背景から、若い世代の挑戦を応援したい気持ちが強くありました。


そんな中でお話を伺った健康医療ベンチャー大賞は、単なる利益追求ではなく、根本に「いかにして社会課題を解決するか」という強い社会的思想を持っていました。この姿勢は、「社会にとって良いことを追求する」という当社の経営文化と驚くほど深く共鳴するものでした。これが協賛を決定した最大の動機です。


バイオや医療の領域で真摯に取り組んでいるベンチャーの技術は、絶対に世の中に出て社会実装されるべきです。私たちのビジネスもこうした多くのアントレプレナーたちの存在と深く結びついており、彼らが想いを具現化できるよう、心から応援したいと感じています。



健康医療ベンチャー大賞に参加して感じたこと


──実際に大会に参加され、発表をご覧になってどのような印象をお持ちになりましたか。


協賛を始めて数年が経ちますが、大会のレベルは年々劇的に向上していると実感しています。プランの質や技術水準がどんどん高くなり、どの発表を聞いても知的好奇心を強烈に刺激されます。


普段、私たちはグローバル展開の支援なども行っているため、つい「この技術はグローバルで通用するか」「どのようなプロセスで市場に展開させていくべきか」という厳しいビジネスの目線でプランを見てしまう部分があります。しかし、そうした厳密な視点を考慮してもなお、素晴らしい結晶のような熱意と社会実装に向けた着実な計画を持ったチームが多数輩出されています。聴講する時間は本当に楽しく、経営者としても多くの気づきをいただいています。


──慶應義塾大学主催ならではの良さは、どのような点にあると感じられますか。


改めて「慶應義塾」というコミュニティの底力をリマインドされています。


医学部や理工学部といった学部の枠組みを簡単に超え、在学生、卒業生、教員、および協賛企業が、塾に対する強い愛着と誇りを共有して一つに集まる。この学際的で有機的な結束力は、他のビジネスコンテストにはない独自の強力な特徴です。主催の先生方との交流も含め、この場から未来の変革者が生まれるのだという感覚が得られます。


また、大会が終わった後のフォローアップとして、出場者同士やOBOGが繋がれる「アルムナイ(OBOG会)」の活動をさらに強化していくことが、若き挑戦者たちの継続的な支えになると考えています。現実の壁にぶつかったときに励まし合える仲間やメンターと出会える仕組みを、協賛企業としても共に育てていきたいです。



挑戦者へのメッセージ


──ヘルスケア・医療の分野で起業や事業創造に挑戦しようとしている学生、研究者、起業家の方々へ、メッセージをお願いいたします。


これから挑戦される皆さんに、私が経営、そして自らの起業経験から培った3つの本質的なアドバイスを贈ります。


第1に、「本当に人生をかけて解決したい社会課題か」、そして「世に出そうとする自らの技術やビジネスモデルに、心から惚れ込んでいるか」を自分自身に問いかけ続けてください。ヘルスケア分野の起業は、法規制、資金調達、臨床試験など、多くの巨大な壁が立ちはだかります。どんなに優秀な人でも、壁にぶつかったときに立ち上がるための「熱狂」と「惚れ込み」がなければ、走り続けることはできません。


第2に、「最初からグローバルに展開することを前提に、逆算して事業を設計すること」です。国内市場だけを見ることはもったいないことです。最初から「世界中でどうビジネスを展開していくか」を描き、バックキャストして研究開発や資金調達の計画を刻む視座を持ってください。私もその最中にいます。


第3に、ビジネスを具現化する「エンジニアリング・オペレーション(製造やプロセス)」と、世界と戦うための「特許(知財・IP)の抑え方」にも重きを置いてください。コンセプトや技術がどんなに優れていても、それを安定的に提供するプロセスが弱ければグローバルな競争には勝てません。また、海外のベンチャーは周辺特許も含めて非常に綿密に知財を抑えてきます。専門家を巻き込んで、周辺特許も含め戦略的に知財を抑えることを初期から考えてください。


クレコンリサーチ&コンサルティングも、常に皆さんと同じように、あるべき未来と現実のギャップに悩み、マイルストーンを刻みながら未来へ向かう挑戦者の一員です。私たちは皆さんの素晴らしい技術や想いを社会へ送り出すための、信頼できる「共創パートナー」でありたいと願っています。ぜひ、この難しくも社会的意義の高いヘルスケアの領域で、共に歴史を創り、世界を驚かせましょう。






1955年創業の日本初の医療・医薬品専門調査・コンサルティング会社です。医療用医薬品に体外診断用医薬品や動物薬、農薬も加えた独自のデータベースや薬剤経済分析を基盤に、市場調査からIT・コンサルティングまで多彩なソリューションを提供。医療社会の課題解決と発展という役割の一助を担い、貢献しております。


クレコンリサーチ&コンサルティング株式会社

https://www.crecon.co.jp/



 
 
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