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1,000超のプレイヤーが交わるプラットフォームへ──LINK-Jと三井不動産が挑む、日本発ライフサイエンス・イノベーションの未来

8月9日
読了時間: 8分

三井不動産株式会社 イノベーション推進本部 ライフサイエンス・イノベーション推進部イノベーション推進グループ グループ長/一般社団法人LINK-J事務局次長朝比奈宏様

三井不動産株式会社 イノベーション推進本部 ライフサイエンス・イノベーション推進部 ラボ&オフィスグループ 参事(ライフサイエンス)/一般社団法人LINK-J事務局長 林 幾雄様

実行委員:松長・古市

インタビュー日:2026年6月30日


 医療・ライフサイエンス領域のイノベーションを促進するため、多様なプレイヤーが集うプラットフォームを提供する一般社団法人LINK-Jと、その活動を支える三井不動産株式会社。設立から10年を迎え、特別会員数が1,000を超える巨大なコミュニティへと成長を遂げた今、日本のライフサイエンスにおけるオープンイノベーションは新たなステージへと突入しています。

なぜ、長年にわたり世代やバックグラウンドを超えた次世代の挑戦者たちを支援し続けるのか。そこには、「ソフト・場所・資金」を回して日本発の成功事例を生み出そうとする、エコシステム構築への深い情熱と確固たるビジョンがありました。



企業・事業紹介


──本日はよろしくお願いいたします。はじめに、LINK-J様と三井不動産様が取り組まれている事業内容や、役割分担について教えていただけますでしょうか。


LINK-Jは今年で設立10周年を迎える一般社団法人です。「ライフサイエンス領域のプレイヤーを繋いでいく」という理念のもと、コミュニティ団体として活動してきました。現在、特別会員の数は1,000を超えています。製薬企業やスタートアップ、投資家、アカデミアの研究者、医療従事者など、あらゆるプレイヤーが揃っているのが特徴です。我々の最大の役割は、多様な方々を繋ぎ合わせ、日本から新しいイノベーションを持続的に創出する「プラットフォーム」として機能することにあります。


LINK-Jと三井不動産は別法人ですが、常に二人三脚でライフサイエンス事業を推進しています。事業の柱は「ソフト」「場所」「資金」の3つです。 まずLINK-Jがコミュニティを形成し、人を繋ぐ「ソフト的」な役割を担います。一方、三井不動産はデベロッパーの強みを活かし、「場所」と「資金」を提供しています。具体的には、スタートアップが利用できるオフィスや、実験が可能なラボラトリー施設の提供です。資金面では、ライフサイエンス特化型のファンドへのLP出資を通じ、間接的な支援を行っています。ソフトとハードの両輪を回していくのが、我々の事業の形です。




医療・ヘルスケアへの取り組み


──この10年間の活動を踏まえ、現在特に重点を置かれているミッションについてお聞かせください。


設立10周年の節目に、我々が果たすべき役割を「トリプルミッション」として言語化しました。 1つ目は「イノベーションの支援」です。現代において、一社単独でイノベーションを起こすのは困難です。だからこそ、製薬企業とスタートアップの協業など、多様なプレイヤーを繋ぐ共創支援に注力しています。 2つ目は「コミュニティの構築」です。現在1,000を超える会員様がいらっしゃいますが、目指すのは単なる「面の広がり」ではありません。


これからは、スタートアップのCEO同士やVC同士など、同じ目的を持つ方々のサブコミュニティを形成し、コミュニティに「深み」を作っていきたいと考えています。 3つ目が「トレンドの発信」です。我々が最先端の情報を発信するだけでなく、参加者の皆様自身が持つ知見を発信していただく。情報が自律的に行き交うプラットフォームとして、正のスパイラルを生み出していきたいです。


──設立から現在に至るまで、業界全体の空気感に変化は感じられますか。


明確な手応えを感じています。設立当初は、アカデミアや製薬企業など、それぞれの領域が分断されている感覚がありました。ビジネス化やVCとの付き合い方といった知識も、浸透していませんでした。 しかし現在では、異なる領域のプレイヤーたちが交じり合い、皆が「同じ言語」を話し始めている実感があります。事業化やエコシステムに関する共通認識が生まれ、自然に会話が成立する世界観へと成熟してきているのです。 また、ここ数年で海外からの問い合わせや視察団の訪問が急増しています。これは我々単独の手応えというより、日本のエコシステム全体に対する海外からの期待感の表れだと確信しています。


──今後実現していきたいビジョンについて教えてください。


やはり、このエコシステムの中から「大きな成功事例」を一つ生み出すことです。大きな成功事例が生まれれば、そこに関わった人や知識が循環し、さらなる資金が流れ込んでくる。その「弾み車」を回す最初のフェーズに、我々は今まさに差し掛かっていると感じています。 これからの10年を見据えた時、「日本のエコシステムは素晴らしい」と世界から再評価されるような環境を作っていきたいですね。



健康医療ベンチャー大賞への想い


──第1回から長きにわたりご協賛いただいております。本大会を応援し続けている理由をお聞かせください。


大会が始まったタイミングがLINK-J設立時期と重なっていたご縁が最初のきっかけでした。そこから継続して協賛させていただいていますが、最大の理由は、出場される皆様の圧倒的な「熱量」と「多様性」にあります。 本大会は、ヘルスケアという軸はありつつも、参加者の年齢層やバックグラウンドが非常に幅広いのが特徴です。最前線の研究者から、ディープテックを追求する社会人、さらには高校生に至るまで、多様な方々が同じ舞台に立ちます。 特に印象に残っているのは、会場にやってくる高校生たちの姿です。「身内にこういう病気の人がいて」といった純粋な動機から、自分なりの解決策となるアイデアをぶつけにきます。そのピュアな想いや斬新な発想に触れると、我々自身も大きな元気をもらっています。


──幅広い年代やバックグラウンドの方々が参加できることに意義を感じておられるのですね。


おっしゃる通りです。身近な課題から「こういうものがあったらいいのに」と思い立ち、形にしようとする。そのアイデアが、専門家から見ても非常に素敵なものだったりするわけです。 純粋なエネルギーを持った方々がビジネスプランを作り上げ、専門家たちの前で堂々とプレゼンテーションを行う。大会を通じて様々な知見を吸収し、事業として形にしていく。そのプロセスを1日で凝縮して見ることができるこの場は、我々にとっても非常にありがたい機会だと捉えています。




健康医療ベンチャー大賞に参加して感じたこと


──これまでの大会を振り返り、審査の場や参加者たちの変化について、どのような感想をお持ちでしょうか。


メインスポンサーとして審査をする中で、「審査の難しさ」と「面白さ」の両方を感じています。参加者の幅が広いため、「今年から挑戦し始めました」というフレッシュな方から、「このテーマで10年研究しています」というベテランの方まで混在しています。同じ土俵でどの軸を基準に評価するのか、毎回頭を悩ませます。 しかし、それこそが本大会の醍醐味です。異なるフェーズやテクノロジーを持つ方々が一堂に会し、社会課題を解決しようとするエネルギーに直接触れられることは、かけがえのない時間です。


──大会に参加されたチームが、その後共同研究に進むなどステップアップしていく姿を数多く見てこられたかと思います。これまでの10年間を振り返り、参加者たちの「その後の展開や成長」について、どのような変化や手応えを感じていらっしゃいますか。


10年間で1,000人を超える方々がエントリーされてきましたが、かつての経験が今になって花開く事例をいくつも目にしています。最近では、参加者同士の「リファラル(紹介)」によるエントリーが増えていると伺っています。これはまさにコミュニティが良い状態で育っている証拠です。 ヘルスケアのビジネスは、決して一人では成し遂げられません。複数の人からの支援や協力があって初めてゴールにたどり着きます。「あの人が助けてくれるかもしれない」と声を掛け合える関係性が重要であり、この大会を通じて、そうした支援のネットワークが確実に育っていると実感しています。



挑戦者へのメッセージ


──最後に、今回エントリーを考えている皆様へ向けて、期待のメッセージをお願いいたします。


我々も毎回、どのようなアイデアに出会えるのか、審査を心待ちにしています。情熱やパッションをぶつけていただくのはもちろんのこと、我々が知らなかった技術や、新しい視点に触れられることを期待しています。 特に経験のある社会人の方は、どうしても「いかに事業化するか」というビジネス目線に寄りがちです。事業性も重要ですが、コンテストという場においては、それに縛られすぎない「自由な発想」を大切にしていただきたいですね。経験の有無に関わらず、ぜひあなただけのニューアイデア、ニューテクノロジーを我々に披露してください。


LINK-Jと三井不動産は長きにわたり協賛を続けてまいりましたが、これからの日本のイノベーションを生み出す土壌として、こうしたコミュニティの存在はますます重要になってくると確信しています。 挑戦者の皆様には、ぜひ恐れずにこの場に飛び込み、コミュニティの力や支援のネットワークを存分に活用していただきたいと願っています。我々も、皆様が次のステージへと羽ばたけるよう、最適な環境とプラットフォームを提供し続けます。単なるコンテストの枠を超えて、ぜひ一緒に、日本発のライフサイエンス・イノベーションの未来を創り上げていきましょう。皆様からの挑戦を、心よりお待ちしております。








 
 
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